明けましておめでとうございます。cSIMVa拠点長の清野です。
新年早々、悲しいニュースが続いています。能登地震により、多くの尊い命が失われ、甚大な被害が出ているとの報道に接し、心を痛めております。羽田空港でも予想もできない事故が起こりました。亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、御遺族の方々に対し深甚なる哀悼の意を表します。また、北陸の被害に遭われた方々の一刻も早い御快復と被災地の早期復興をお祈りいたします。
昨年は、cSIMVaの採択と体制つくりにご尽力いただいた中山俊憲学長との悲しい永久のお別れをしました。その一方で、cSIMVaとしては、実りの多い1年でした。研究については、各PIの先生方の努力により、粘膜免疫と粘膜ワクチン関連の論文発表が増えてきました。インフルエンザ経鼻ワクチン、MucoRice経口ワクチンの2件が、AMED-SCARDAワクチン・新規モダリティ研究開発事業に採択され、粘膜ワクチン開発に弾みがつきました。13社の企業との包括的な連携協定書も締結され、ワクチン実用化に向けた産学連携も本格化しました。また、cSIMVa主催のシンポジウム、ワークショップ、セミナーの開催、他の拠点、サポート機関との連携開始など拠点内外との交流も活発に行われました。さらにはUCSD・LJI・cMAVの先生方との緊密な協力に加え、ガーナ国立ワクチン研究所との交流が、新たに始まりました。昨年4月からは「ワクチン学コース・感染症学コース」が開講され、また、若手向けのcSIMVaチャレンジグラントも開始しています。そして、粘膜ワクチン開発の鍵を握っている新規ワクチンデリバリーシステムの創出を目指して、バイオマテリアル工学専門のPI 招聘など多くの方々が新しくcSIMVaのメンバーとして加わっていただきました。これもAMED-SCARDAをはじめ、拠点内外の皆様の建設的なご指導とご支援のおかげと感謝しております。
新年早々には、第2回となるcSIMVa国際ワークショップが、cMAVとの共同開催で、世界の著名な免疫学・ワクチン学などの研究者にもご参加いただいて、開催されます。日々の研究開発成果を、発表・議論し、今後の粘膜免疫のユニーク性の理解とそこから生まれる粘膜ワクチン研究開発に結びつけてまいります。本年はAMED-SCARDA「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」の中間評価が予定されており、cSIMVaのこれまでの成果が問われますが、これからcSIMVaがやりたいこと、やらねばならないことを、cSIMVaメンバー全員で検討し、示していきたいと考えています。また、千葉大学が「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業」に採択されましたが、その中で、免疫学とワクチン学という観点からcSIMVaは中核的な役割を果たすことを期待されており、千葉大学の継続的発展にも貢献してまいります。本年はさらにcSIMVaとして粘膜ワクチンの具現化に向けて、異分野融合にはじまり研究・開発活動の場を広げ、新たな取り組みを始めていきたいと考えています。cSIMVaのメンバーとともに”One Team Chiba”で頑張っていきたいと思いますので、引き続きご支援、ご指導のほど、どうかよろしくお願いたします。
拠点長 清野 宏